2022年6月30日
京都大学 白眉センター「白眉要覧 2021年度(2022)」のカバー周りのデザインを担当させていただきました!
「白眉要覧」は白眉プロジェクトの概要や新しく白眉センターに採用された研究者の研究紹介などが詳しく書いてある冊子です。
今回のテーマは、コロナ禍の影響で海外出張がなくなったけれど冊子の中だけでも行った気になる!です。
京都大学白眉センターの田原弘量さんより
「2021年3月に、京都大学学術研究支援室が開催した「デザインスキルアップセミナー」に参加しまして、
アダチさんの「研究を伝えるデザイン制作の舞台裏」を勉強させていただきました。
(誠実で率直なご意見の数々に、うなずきながら、楽しく勉強させていただきました!)
いつか機会があれば、ぜひアダチさんにお願いしたい!とずっと思っていたところ、
この度、冊子の表紙デザインを検討する機会がありました。」と連絡があり、
何かお役に立てるならーと、お話させていただいた時は営業のつもりはなかったものの、
全くつながりのなかった研究者さんからお仕事につながり、とても嬉しかったです。
また、以前より「白眉要覧」は表紙にこだわって作っているなーと見本として数冊集めておりましたがデザインを担当できるなんて……。
お話を伺うと具体的なイメージがあるということだったので、気持ち的には楽でしたが、
12期のみなさんで作っている広報チームとのディスカッションから「これは……大変かもしれない……」と。
「パスポートに研究内容を表した今期17個(17名)のマークを押したい」ということで、
研究内容を図案化するための画像やパワポの資料、研究課題についての説明も届き
「うーん……磔刑をスタンプっぽくするにはー」と、考えつつの毎日でした。
「白眉要覧と同時進行で進んでいる「白眉センター便り」の表紙イメージに飛行機と飛行機雲が使われているので、何かリンクさせたい」と、
広報チームの東島沙弥佳さんより伺い、
パスポートを持つ爪にネイルアートとして飛行機と飛行機雲を入れてみました。
当初は表紙にスタンプ、裏表紙にパスポートの表紙(京都大学のスクールカラーの濃青をイメージ)のデザインにしておりましたが、
パスポート表紙のデザインが大ヒットとなり、表紙をパスポートの表裏にし中に見開きでスタンプを入れることに。
より理想的なカタチで仕上がりました。
京都大学は2022年に125周年を迎えたとのことで、白眉のお二人もイベントを担当されてます。
「京都大学創立125周年記念 研究の魅力を見出す 鏡プロジェクト」に、わたしも "鏡" としてオンライン参加しましたが、
見逃しアーカイブ配信もありますので、
是非、白眉の研究者のみなさんの熱いプレゼンをチェックしてみてください。
この後の研究が、どう進んでいくのだろうと気になってしまいます。
2021年5月13日
「高速塩基配列検索 GGGenome」のロゴデザインを担当させていただきました!
二重螺旋構造と3つの「G」と重ね、具象的に表現しました。
虫眼鏡でDNAをのぞいているようにも見えます。
カラーはこれまで通り、サイトに来るとワクワクする!イメージしています。
2019年の秋、ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)の内藤雄樹さんと、
体調不良で行けなくなった「トーゴーの日」での GGGenome と CRISPRdirect の盛り上がりを伺っていたところロゴ依頼の流れになり、
「ゲ、ゲ、ゲゲゲノムー♬ って毎度歌ってしまいます。」
「そのゲゲゲノムのロゴをつくりたいのです。」
「ぬ!」というやり取りからスタートしました。
GGGenomeは周知されているツールなので、勝手にプレッシャーがかかり大変でした。。。
デザインについては、
「塩基配列検索というサイトのコンセプトに沿ったデザインを」とのことで、
これまでのカラーイメージを踏襲し概念的に表現したもの、二重螺旋構造と「G」と重ねた抽象的なもの、染色体な感じなもの、
よく見れば「G」のような二重螺旋構造のようにも見えるスタイリッシュな雰囲気のものの中からこの案に決まりました!
GGGenome は、ゲノムや転写産物の塩基配列 ー DNAやRNAにおける塩基(ATGCなど)の並び方 ー を速く正確に漏れのない検索ができるサイトです。
速く結果が出るということはアイデアを試すことが容易になり、その結果をみてまた研究も加速する……というわけです。
ちなみに遺伝子は設計図、ゲノムはその設計図の一式がのっている本、DNAはその本をつくっている物質です。RNAはその本から読み取った設計図のコピーで、これを翻訳してタンパク質を作ります。
どんな塩基配列を検索できるかというと、
ヒトやマウスをはじめとする動物や植物など350以上のゲノムを中心に、公共データベースに蓄積された塩基配列データのほとんどを探せるそうです。
生命科学の分野では、新たな塩基配列が読まれると研究者が公共データベースに登録して誰でも利用できるようになっているそうです。
内藤さんと初めてお話した 2017年の「NGS現場の会」第五回研究会 の時に、
「今、進めている研究がアダチさんの病気の治療に直接結びつくものではないけれど……」と言いながらも、
研究者として科学や医療の進歩を信じるという思いを話してくださった時、
穏やかな内藤さんの言葉の中に熱意があり、一言一言に圧倒され「強く生きよう……」と、涙目になりました。
実際に進行性の難治性疾患の治療に期待される医薬品の国内の承認審査で、GGGenome が使用されたそうです。
GGGenome の開発秘話の記事もありますので、気になる方は是非こちらから!
2021年1月5日
「北極域研究加速プロジェクト(ArCS II:Arctic Challenge for Sustainability II )」紹介パンフレットのアートディレクション
& デザインを担当させていただきました!
国立極地研究所 国際北極環境研究センターさんより、
「力強さ、発展していく、加速していく、4つのテーマを連携させていくというイメージ、
プロジェクト関係者向けなので専門的でよい。
5年間使うものなので、きちんとしたものにしたい。」とのこと。
以前、「サイエンスギャラリー」の空間プロデュースの参考に、極地研さんの「南極・北極科学館」にお邪魔させていただき、
研究者の方から説明を受けながら見学したことがありましたので、
お話が来た時は「おお!少し知ってる方面だ!!!」と安心したのですが、
実際、プロジェクトの内容を見てみると、知らないことばかりでした。。。
「変わりゆく北極」の今を観測し実態を把握し、
シミュレーションからの予測を経て、人間社会にどんな影響を与えるのか、
持続化するための社会実装や法について、自然科学、工学、社会科学、人文科学の研究者が分野連携し、
「持続可能な社会の実現へ」挑む、
日本の「北極域研究プロジェクト」として最大規模とのこと。
表紙は「結晶アイコンがチーム内でもとても評判良く、いままでとは違うイメージで新たな北極にふさわしい」
フォーマットは、フラットなパターン、かっちりとしたパターン、透明感のあるパターンの中から、この案に決まりました!
表紙案が決まり「背景に入れる北極の画像は白系か銀系がいい」ということになり、
確かにシルバー北極の雪のきらめきを表現するのにいいかも!?と、特色のシルバーを使用しています。
実際に印刷したものをみると結晶アイコンが浮き上がってみえます。
雪のサラサラ感がでるといいなとマットPPをかけました。
素材としていただいた画像は、北極の雪や氷の白と空や海の青。
その雰囲気を崩さずに戦略目標の色分けも寒色系にしました。
アイコンはイラストレーターの笹山敦子さんにお願いしました!
結晶のイメージを生かしつつ、内容が伝わる素敵なアイコンにしていただきました。
また、タイミング的に仕事が重なってしまい、英語版は急遽、メテユンデの田添玖美さんに手伝っていただきました!
日本語版からの置き換えをどのようにするか少し電話で話しただけだったのですが、お願いした以上の仕上がりで本当に助かりました!
正直、お願いしたことで睡眠時間が取れましたので(笑)、リアルに感謝です。
この前身のプロジェクトで、日本科学未来館とタッグを組み制作された、
北極ボードゲーム『The Arctic』は、北極の研究者、先住民、開発業者などの役割になりきって、変わりゆく北極を体験できるゲームとのこと。
氷タイルを置くボードやカードのデザインも素敵です。SDGs(持続可能な開発目標)について学ぶ教材としてもよいそうです。
ゲリラ豪雨や連続で来る台風など異常気象が続くことが気になってましたが、
日本からは遠い北極環境の変化を理解することで、
わたしたちの身近な環境の変化を考えるきっかけになりそうです。
2020年12月14日
「東京大学経済学図書館創設120年」「アダム・スミス文庫寄贈100年」 「東京大学経済学部資料室創設110年」記念
「知の継承(バトン): 2020-2023」ポスターなどのデザインを担当させていただきましたー!
東京大学経済学図書館の担当者さんより依頼があり、
「3つを記念するもの。4年間使うものなので、それがわかるものにしたい。」また、「飽きのこないものにしたい」として、
図書館の草創期から最近までの写真など、大量の解説資料が送られてきました!
以前、図書館はイベントで、資料室は2度に分けて見学させていただいたのですが、
様々な資料があり、これをまとめてポスターにするのは結構大変かも!と。
今回は保存されている資料の中身より、設立の歴史を伝える方向にしようと考え直し、
部屋に貼った時に図書館の入口があるようなもの、書棚っぽいマークで「本関係のポスターかな?」と想起させるもの、
年表のようなパターンの中から、この案に決まりました。
東京大学経済学部図書館の設立には、2つのルートがあります。
ルートその1
1900年:高野岩三郎(実証主義としての統計学講座の基礎を固めた)がドイツ留学中にエルンスト・エンゲルの旧蔵書を購入し東大へ
→ 経済統計研究室が設立(経済学図書館の前身)
ルートその2
1913年:ジークフリーフト・ベルリネル(会社の定款や営業報告書類の蒐集により、企業経済の実証研究を促進)が経済統計研究室に資料文庫を提唱
→ 商業資料文庫へ(資料室の前身)
1920年:新渡戸稲造がアダム・スミスの蔵書を寄贈
ーその後、経済学図書館が書籍・資料の蒐集を続け、今に引き継がれています。
このルートだけでも、わたしの生活にも身近過ぎる「エンゲル係数」のエンゲルと『国富論』のアダム・スミスに、五千円札の肖像だった新渡戸稲造……と有名人ばかり。
正直、「経済苦手だったし大丈夫かなぁ」という感じでしたが、以前開催されたアダム・スミス蔵書の特別展示の図録を見て、
エウクレイデスによる幾何学書やトマス・ホッブズ(Thomas Hobbes, 1588-1679)による初版『リヴァイアサン』など、
稀覯本は前に担当したことがある!!!と、少しホッとしました。
気になった方は、東京大学経済学図書館創設120年、アダム・スミス文庫寄贈100年” 記念オンライン講演会「知の継承(バトン)」が、
12月19日(土)に開催されます(要申込:12月16日(水))締切)。
こちらのフライヤーも担当させていただいてます。
個人的には有江大介さんの講演タイトル「新渡戸稲造は買った「スミス文庫」を読んだのか?」のテキストを見た瞬間、
コーヒーを吹きそうになりました(笑)。
1923年に起きた関東大震災で、経済統計研究室は全焼します。
たまたま研究者が出張先に持ち込んでいたことで、火災から免れた本もあると伺い、
ちょっとしたことで現在……未来へと、つながっているんだなーと。
また、初期の図書館整備に海外から着任した方が協力していたというのも面白いです。
2020年7月31日
4月には公開されていたのですがコロナウイルスのバタバタで……出遅れました!
国立天文台「ULTIMATE-Subaruプロジェクト」のロゴデザインを担当させていただきました!
今回のイメージは……
補償光学という技術によってシャープに観測された「銀河」が、
大気のゆらぎを越え「すばる望遠鏡」の周りに降りて来ているイメージです。
カラーは「すばる望遠鏡」のあるハワイ島マウナケア山の夕暮れを想起させるような色味に。
国立天文台ハワイ観測所の小山佑世さんより、
「科学プロジェクトのロゴなので、凝った文字の変形ではなく、"ULTIMATE"の文字が読めて、かつプロジェクトの内容について説明的なものであってほしい。
レーザー4本で宇宙を広くシャープな目で見渡せる、次世代を担う8m鏡としての(マウナケアの)すばるをイメージしたい。
プロジェクトのプレゼンをする際などに黒の背景のスライドを使うことが多いので、黒に映えるようなものが有難い」とのことで、
銀河を広視野で見る瞳をイメージしたもの、すばる望遠鏡を上から見たところとULTIMATEの「U」を重ねたもの、ロゴタイプにマウナケア山を取り込んだものの中からこの案に決まりました。
星がまたたくのは地球大気がゆらいでいるためです。
天文学の観測でも、この大気のゆらぎ・乱れによって星がぼやけてしまいます。
「大気ゆらぎ」は天文学者にとって、まさに「天敵」です。
このゆらぎをリアルタイムで検出し、高速に直してしまおう! というのが、補償光学という技術とのことです。
ゆらぎの検出のために、レーザー光を大気に打ち、「人工的な星」を作ります。
その人工星の「またたき」をモニターして望遠鏡側の鏡の形を超高速で変形しながら観測することで、
まるで大気ゆらぎのない宇宙空間で観測したかのようなシャープな観測ができるのだそうです。
すばる望遠鏡の現在の補償光学システムでは、人工星を作るレーザーは一つで、そのごく近くの大気ゆらぎを補正できるだけでした。
しかし、「ULTIMATE-Subaru」では、レーザービームを4本に増やし、
4つの「人工星」で囲まれた広いエリア全体のゆらぎを直すことで、かつてない広い領域にわたってシャープな画像を得られるようになるということです。
すばる望遠鏡から空に向けてオレンジ色の糸がピーッと出ている写真をよく見かけておりましたが、そういう理由だったんだ!!!と改めて理解が深まりました。
いつもロゴ案をお送りする時、客観的な意見も取り入れてみてくださいとお伝えしてるのですが、小山さんより
「チーム内でも議論がかなり盛り上がりましたし、
プロジェクトのチームだけでなく、外国人も含むハワイ観測所の職員全体に意見をもらう機会も設けたことで、
普段プロジェクトに直接関わっていない方にも、すばる望遠鏡の次世代計画だと意識してもらういい機会になったように思います。」と。
見ていだだけるのは研究室に出入りする方ぐらいかなーと思っていたら「え? 職員全体!?」と驚きつつ、
提案してみて良かったなーと笑顔になりました。
すばる望遠鏡の観測画像は本当に綺麗ですし、遠方の銀河(初期宇宙)も多く発見されています。
個人的にはプロジェクトが目指すサイエンスにある、未だ人類の手が届いていない銀河誕生期の姿が気になります。
遠い宇宙にある天体の内部が手に取るようにわかることで、どんな姿が見えてくるのか楽しみです☆
2020年1月29日
科学研究費助成事業基盤研究S「北極海-大気-植生-凍土-河川系における水・物質循環の時空間変動(Pan-Arctic Water-Carbon Cycles )の
ロゴデザインを担当させていただきました!
今回は、地球をとりまく水の循環のイメージです。
永久凍土の融解と凍結を繰り返して造られるサーモカルストの模様と河川の流れと研究上よく使うというドローンと人工衛星を抽象的に表現しました。
名古屋大学宇宙地球環境研究所の檜山哲哉さんより、
「地球温暖化」「北極海氷縮小」「大気-陸域水循環」「永久凍土荒廃」「温室効果気体」のキーワードと、
「一般の方にも一目で理解して頂けそうなロゴを」とのことで、
北極海の海氷、地球温暖化を想起させ、周辺地域ではいま何が起こっているのかという問いを印象付ける案、
永久凍土の融解により湿地帯では多く放出されるメタンと二酸化炭素の分子構造とサーモカルストが形成される活動層が深化する様子をイメージした案、
PAWCsをメタンの分子構造に入れ、海氷の先が崩れていくことで、海氷が縮小し続けている状態を表す案の中からこの案に決まりました!
身近な言葉が多かったものの地球環境のお仕事は初めてだったので、北極域で何が起こっているのか調べるところから始まりました。
その中で、驚いたことをひとつ。
「永久凍土地帯では、比較的乾燥した土壌からは二酸化炭素が大気中に放出され、湿った土壌や湿地帯からはメタンが放出される。
植物が存在すると二酸化炭素を吸収してくれるが、湿った土壌に育つ植物から、なんとメタンが放出されるらしい」ということ。
永久凍土の融解により、北極海への河川流出量が増加するだけではなく、地面が崩れたところに水が溜まり池や湖になります。
この湿地帯から微生物が排出するメタンが出やすくなり、水分過多になったことで元々あった木々も枯れてしまう。
メタンの温室効果は二酸化炭素の20~30倍もあるそうで、地球温暖化を促進することになります。
すると大気の温度が上がり地面の温度も上がり、永久凍土が融解する……というループ。
ちょっと衝撃的でした。
氷河期の氷の中に閉じ込められている炭素濃度は大気中の2倍あるそうで、
最後の氷期である1万年前のガスが、今の時代に影響しているということも驚きです。
作業が終わった頃、永久凍土融解によるアラスカ州ニュートック村の移転の記事を読みました。
現実に起こっていることなんだと。
日本の気候も大分変わってきたと感じますが、これからも変わる要素があるのかもしれませんね。
2020年1月25日
プレスリリースの時期に間に合わなかったのですが、
「バイオバンク横断検索」のロゴデザインを担当させていただきました!
治療の可能性が無限に広がるイメージです。
2017年の秋、東北大学東北メディカル・
「
また、モダンなイメージがいい」とのことで、
まずは資料を読みつつ、
様々な組織、
AMEDの「A」とBIOBANK「B」
研究者や治療に携わる人と患者との架け橋をDNAの螺旋構造と合
このプラットフォームでは、
参加バイオバンクは、
ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク(NCBN; 6NC)、
京都大学病院クリニカルバイオリソースセンター (KUB) 、
以前、「NGS現場の会」
「腫瘍のゲノム解析をしてみたい」
病院から研究機関への提供は連携がない場合、個人レベルでは、
生体試料としては難しくても、
将来、
2019年8月28日
金沢大学 先端宇宙理工学研究センター Advanced Research Center for Space Science and Technology (ARC-SAT) の
ロゴとクリアファイルのデザインを担当させていただきました!
今回のイメージは、金沢大学衛星プロジェクト KANAZAWA-SAT3 が、 宇宙を理解する旅に向かうイメージです。
真ん中の「S」のシンボルは、円弧と「宇宙の大規模構造」を重ねています。
「A」は、ARC = 円弧を想起させるようにしました。
また、3つの星のきらめきは、「先端機器開発部門」「天文学・宇宙物理学部門」「太陽地球系科学部⾨」の3部門が、
このプロジェクトを通し、さらに輝き出すことを表現しています。
金沢大学の米徳大輔さんより、
「衛星をモチーフにしていただきたい。ARC-SAT なのでデザインに arc (円弧) が入っているイメージがあると嬉しい」とのことで、
地球から見た宇宙のイメージと円弧が金沢SAT3の軌道とも合わせたもの、
KANAZAWA-SAT3 を抽象的に表現したものの中から、この案に決まりました。
ロゴ案をメールした時、学生さんと一緒に見てくださったそうで、その時の反応がかなりリアルに書いてあり一安心しました!
ちなみに「KANAZAWA-SAT3」は、
人工衛星:SATellite
理工学:Science And Technology
教育プロジェクト(座学と実習):Study And Training
の意を込めていたもので、SAT 3個分。 ということなのだそうです。
クリアファイルは裏面に円弧を使い各部門を紹介しています。
こちらは先日オープンキャンパスで配られたとのこと。
金沢大学さんには、2016年に伺ったことがあります。
クラウドファンディングのリターンのデザインをお手伝いした雷雲ガンマ線プロジェクトの検出装置を設置する様子を取材したのですが、
研究室に前のver.のちょっと顔っぽい小型衛星のモックアップモデルが置いてあるのを見て、
「これが何年か後に宇宙を飛ぶんだー!」と、写真を撮りまくっておりました。
その時は、将来お仕事をご一緒するなんて考えてもみませんでしたが、 衛星開発の現場の雰囲気として写真におさめておいて良かったなと思っています。
デザインを考えていた時期と「はやぶさ2」のタッチダウンが重なり、ライブ配信を見ながら作業していたのですが、
タッチダウン成功の瞬間、歓喜の声が上がった管制室の様子に、
このプロジェクトを取り巻く世界を垣間見た感じがして、目頭が熱くなりました。
何年もかけて取り組んだ「KANAZAWA-SAT3」が、
宇宙で羽を広げ、データを初めて受信する時もこんな感じなのかもしれませんね。
待ち遠しいです☆
2019年8月10日
東京工業大学地球生命研究所 ファーストロジック・アストロバイオロジー寄付プログラムのロゴデザインを担当させていただきました!
今回のイメージは銀河を細胞膜に見立て、
Gly-Alaペプチドの化学構造式を星座のようにつなげました。
プロジェクト名の「Astrobiology」の「A」は、この銀河とつながり、生命の起源から未来へ続く時間を表現しています。
ELSI の藤島皓介さんより、
「地球の生命の起源と地球外生命探査(氷衛星)まで包括するような雰囲気がでてれば良いなと思います。
グリシンとアラニンという宇宙においておそらく普遍的かつ 生物が利用しているアミノ酸が2つ繋がったペプチド(最小単位のひも)で、
紐っぽさと分子っぽさが共存する感じと、
FLのロゴのようなシンプルさ、FLの白とELSIの赤をうまくブレンドできるとよいとのですが」とのことで、
全生物の最後の共通祖先が真正細菌、古細菌、真核生物の3つに分かれる進化系統樹のイメージと宇宙のはじまりのイメージを合わせたもの、
生命の起源として深海、海の波のイメージとDNAの螺旋構造とを合わせたものの中からこの案に決まりました。
最初、いただいた資料を元に作り始めたものの、資料のままな感じがしてしまい、紐っぽさもよくわからなくなり、
以前、藤島さんのご講演で聴いた膜のイメージも取り入れたいのに煮詰まってしまって(この膜についての質問が初めてお話するきっかけでもあったのですが)、
これは「宇宙生物学」について、もっと理解しなきゃとダメだと、
藤島さんの研究がわかりやすく紹介されている連載記事「研究室に行ってみた。東京工業大学 宇宙生物学
藤島皓介」を読み始めました。
※記事の中にセントラルドグマという言葉が出てきて、ちょっとだけ『新世紀エヴァンゲリオン』を思い出していたのは秘密です。
連載の後半は宇宙のことなので、サクサク読めたのですが、
前半は原始地球における生命のことだったので「地球の生命を理解するところからかー!」と、ペプチドなど良く聞くけれどわからない言葉を調べつつになりました。
藤島さんの「生きているというのは状態で、その状態を維持するためのシステムが生命である」という言葉に導かれつつ、
熱水噴出孔の近辺で原始生命が誕生したのではないかという話は、科学番組などで知ってましたが、
そこで生まれたシステムが面白く、どうやって鉱物を取り込んだのか「身体の中のエネルギー代謝って鉱物を持ったタンパク質が仲介する電子のやりとり(酸化還元反応)なの!?」と。
血液の味が鉄の味がするのも納得しました。
ロゴとしては、宇宙における「生命の起源・分布・未来」を表現できたらいいのかなという結論に。
ちょうどデザイン出しをしたタイミングで「AbSciCon19」という宇宙生物学の国際会議があり、
この会場でELSIの同僚の方々にもロゴのデザイン案を見ていただいたとのこと。
わたしもNASAのニューフロンティアミッションの発表をLIVEで見ており、
本当はここに間に合わせたかったものの間に合わせられず、申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、
世界中の「宇宙生物学」の様々な研究や研究者の集まる場で、誕生したロゴなんだ!と、少し前向きに。
「AbSciCon19」が気になった方は、NASAのアストロバイオロジーYouTubeチャンネルにて、なんと150の講演とセッションがオンデマンドで視聴できるそうですよ!
こちらのロゴ、本日開催予定の全国同時七夕講演会 筑波技術大学企画
「わくわく、宇宙」にて、お披露目です!
2019年5月21日
東京大学「天文学専攻・理学部天文学科」の学科紹介パンフレットのアートディレクション&デザインを担当させていただきました!
撮影は宮﨑 慎之輔さん、CGは(ほぼ)マブチデザインオフィスさんです。
東京大学の柏川伸成先生より、お話を伺って驚いたのですが、天文学科には、これまで学科紹介パンフレットがなかったそうです!!!
「自分たちの研究成果を社会に発信するのは大事なことですので、パンフを作りましょう、と言ったら、けっこうみなさん乗り気になってくれました。」とのこと。
まずは資料としていただいた「理学部ニュース」を読み、
天体画像と文章で読ませる案、
長く続いている学問としての天文学のイメージを入れた案、
文章を多く入れずに、なんとなく研究との繋がりが理解できるような案の中から、この案に決まりました。
当初カリキュラムなど入れた方がいいかなと考えていたのですが、毎年変わりますしHPで更新されるので、
研究内容を視覚的に知ることができるようにした方がいいのではないか?と、
各研究室の研究をメインにした構成になっています。
また、各研究室が理論なのか観測なのか望遠鏡などの装置作りから関われるのか、パッと見にわからなかったのでアイコンにしてみました。
研究分野の理論、観測、装置のアイコン以外は、オリジナルで作っています。
最初の見開きページは「(デザイン案で提案した)組織のつながりを示すよりは、太陽系から宇宙の果てまで様々な階層を図示したようなもののほうがいいかも」という意見があり、
天文学科でいま進んでいる研究内容を総括したものになっています。
アイコンのカラーと各研究室のカラーも合わせています。
作業をしながら「1つのテーマに対して、各方向からのアプローチがあるんだー!」と、ふむふむしておりました。
撮影時、学部の学生さんは卒論の発表練習におじゃまさせていただき、最初は撮影隊を気にしてらしたのですが、
途中から先生からの意見や他の院生さんから発表者への質問が出たりして、リアルな雰囲気をおさめることができました。
個人的にはスライドの内容がとても気になりましたが(笑)。
また全体写真のロケハンで、屋上よりも小柴ホール前の写真が素敵だったのですが、
自然を扱うものですし、星空をイメージさせる屋上の方がよいのでしょうか? と、相談させていただいたところ。
「私も屋上よりも1階の方がよいと思います。
天文だから屋上じゃないと、とよく言われますが、12階に登ったくらいではちっとも宇宙に近づけません。」と(笑)。
表紙は背景画像は「カシオペア座A」を使用しています。
最初は黒ベタにアルファベット部分だけ画像を入れていたのですが「後ろに何があるのか研究者だと気になってしまいます」とのことで、背景画像は少し生かしておきました。
依頼を請けた時「江戸時代の天文方から……」と、考えていたのですが、
いま天文学科を目指す人は、最新の望遠鏡や衛星のデータから解明される天文現象に興味があるのだから、伝えることが違うのかもと思い直しました。
以前も(2015年6月25日)書いたことがあるのですが、科学デザインへ踏み出すきっかけを柏川先生にいただきました。
2011年の秋から7年経ち、先生の研究を自分のデザインで紹介できる日が来るなんて……思ってもみませんでした。
このパンフレットは、5月21日の学生ガイダンスにて配布する予定とのことです。
是非、お手に取ってみてください☆
2019年4月16日
「東京大学工学部 化学システム工学科/大学院工学系研究科 化学システム工学専攻」の学科/専攻紹介ポスター、
パンフレットの表紙と化学システム工学科/専攻の全体を表すイメージ図、フライヤーのデザインを担当させていただきました!
まずは表紙ですが、
「化学の知識と化学システム工学の方法論に基づいた、当学科/専攻での学びや研究が社会の課題解決に貢献していく、その広がりをあらわしたい。
手にとってみたくなるようなものにしたい」とのことで、
少しポップな感じでつながりを表したもの、各研究室をイメージした化シスの街を人が行き来する案、研究のつながりと基盤をつないだ案からこの案に決まりました。
当初「化学知を社会に」をイメージする図のみだったのですが、自分だったら表紙をこんな感じにするかなと、図を入れ込んでご提案してみたところ、
ポスター、チラシへと展開されていきました。
化学システム工学専攻反応プロセス工学講座の小寺正明先生より、
「化学工学自体は完成された学問ですが、個別の事例ではまだまだ解決できていないものがあって、化学システム工学を通して、実学的なエンジニアリングを学べます。
皆さんがイメージする化学は必ずしも重要ではなくて、分子式も使わない研究もあるし。自分の生活の延長になるもの、具体的にどんな暮らしが待っているのか、
物の見方を学ぶという感じですかね」と。
また、広報の高橋美里さんより、メインの「化学知を社会に」という言葉を打ち出したいとのことだったのですが、
「化学知って何?」となりそうなので、サブコピーもお願いしました。すると今度は「システム的思考」という言葉が(笑)。
「システム的思考」を検索してみたところ、
「複雑な状況下で変化にもっとも影響を与える構造を見極め、さまざまな要因のつながりと相互作用を理解することで、真の変化を創り出すためのアプローチ」とのこと。
例えとして…… 森は木々の集まりですが、それ以外に様々なバクテリア、植物、動物が共存しています。
また、成長する木と枯れていく木が同時に存在し、代謝し変化し続ける。それは木の種類を分類するだけではわからない。
この複雑性を理解し、未来に何が起こるのかを考えることが、システム的思考なのだそうです。
出版のお仕事では、たまに編集さんがダミー本を売り場に並べて撮ってきてくれるのですが(こっそりと)、
「ここにパンフレットが並ぶんですよ」と、駒場キャンパスに各学科のパンフレットが並ぶ場所の写真を撮ってくださったことが、とてはもありがたかったです。
以前のパンフレットの表紙も目立つものではあったのですが、今回は色で目立たせようかということになりました。
と、資料としての情報が蓄積されたものの、
広がりが有りすぎて、”化学システム工学という学問をどのように表したらいいのか上手くカタチにできない!” と頭を抱えておりました。
そんな時、高橋さんが「化シス愛」の語りと共に、現役学生の座談会のテープ起こしを急ぎ送ってくださいました。
その中に「ベースに化学工学があって、その上に色々な分野の研究を載せることができる、というようなイメージで化学システム工学をとらえています。
例えば、化学工学というOSの上に色々なアプリケーション(電池、材料など)を載せるといろんなことが可能になる、というイメージです。」
という学生さんのコメントになるほど!と。
全体を表すようなイメージ図は、このイメージで作っています。
環境・エネルギー・医療までは、ふむふむという感じだったものの「安心・安全とは?」と質問したところ、
「爆発の実験!? 特撮的ヒーロー的な? 東大さんにそんなところあったの!?」と、個人的に盛り上がったのですが、
ホームページからたどって行き、ガス爆発など災害現象の科学的解明をするんだ……、本当に社会に密着してるんだなと。
卒業後の就職率が高いのも頷けます。
パンフレットは工学部進学選択ガイダンスの時などに配られるそうです。
気になった方は是非お手に取ってみてください!
2019年3月15日
自然科学研究機構「アストロバイオロジーセンター」のロゴデザインを担当させていただきました!
「A」と「C」で水のしずくを作っています。
「B」は太陽の位置とDNAのイメージを。
また「C」の部分は太陽系内のハビタブルゾーンと合わせてみました。
アストロバイオロジーセンターの日下部 展彦さんより、
当初、元々あるロゴの調整のお話があったのですが、新規に作ったものも合わせて見てみたいとのことで、
日本のグループが見つけたラジカルC6Hの模式図と系外惑星を探すトランジット法のイメージを重ねたもの、
アストロノミーとバイオロジーが融合し、星間物質からDNAへとつながって行く様子を表したものの中からこの案に決まりました。
色味は暖色・寒色両方で考えて欲しい、「ABC」をロゴにしたようなイメージがよいとのこと。
“ 寒色系のイメージはやはり生命の星・水の惑星の印象かと思います。
また、ボイジャーなどが地球を見たときに見える「ペイル・ブルー・ドット(薄い水色)」のイメージがあります。”と、日下部さん。
このコメントを読んだ時、一瞬で宇宙空間に意識が飛びました。
宇宙に行って考えなきゃダメだと。
アストロバイオロジーとは「宇宙における生命の起源、進化、伝播、および未来」を研究する学問のことです。
『新・天文学事典』 を読み返しながら、分野がいろいろとまたがっていること、
元々あるロゴは、そのイメージがパッと見てわかりやすく、アストロバイオロジーってこれだよねーと伝わってくるものだったので、
うーん……これ以上、なにか作れるのかな?と、かなり悩みました。
アストロバイオロジーセンターは、2015年4月に創設されたのですが、
当時ニュースが流れた時「日本でもいよいよ!?」と、ワクワクしました。
遠くにある星の大気の成分や大気の状態(天気)も観測することができると以前伺ったことがあり、
そんなところから生物がいる可能性などを知ることができるなんて……と驚いたことがあります。
宇宙を構成している同じ物質から、遠くの星ではどんなものを作り出しているのか。
楽しみです☆
2018年11月28日
「ChIP-Atlas」紹介パンフレットのアートディレクション & デザインを担当させていただきました!
九州大学大学院 医学研究院の沖真弥さんより、
「学会会場などで ”これはなんだろう?” と、これまでChIP-Atlasを利用してない方にも手に取ってもらえるようにしたい」とのことで、
表紙で魅せる方向に。沖さんのアイデアで、表紙の島と「Peak Browser」の解析結果は同じ位置に配置されています。
「ChIP-Atlas」は、論文などで世界中から報告された、ほぼすべての(10万件近く)ChIP-Seqデータの可視化と解析を行うウェブサービスのことです。
どのタンパク質がゲノムのどこに結合するかが、一目で理解できる「Peak Browser」、転写因子と、その標的遺伝子の関係がわかる「Target Genes」、
転写因子の共局在性がわかる「Colocalization」、複数の遺伝子やゲノム領域に対し、有意な結合を示す転写因子がわかる「Enrichment Analysis」という4つの機能があります。
詳しくは、このパンフレットの完成とタイミングを合わせたかの様に掲載された論文のプレスリリースを。
「ChIP-Atlas」の名前の由来でもある「地図帳をめくるようにわかりやすい!」から地図をイメージさせるものとして、
古の地図案やビッグデータ島を俯瞰して見る案、ATCGの塊で山になっている島へ向かう案の中から、この案に決まりました。
ただ、島のカタチが全く見えて来ず、打ち合わせも終わりかけの頃、幅2cm程度のChIP-seqデータのエンハンサー領域を見て、
同時に「「この形、島に見える!」」と(笑)。
桂林のタワーカルストのような山にするか、ビルにするか意見が出たのですが、
共同研究されているDBCLSの大田達郎さんの「ビルのごちゃごちゃした感じはバックグラウンドノイズのしんどさみたいなものが感じられて良い」
また、沖さんより大学が九州にあるので「軍艦島のような島がいい」とのことで、このイメージに決まりました。
ちなみにこの島のカタチは、POU5F1という遺伝子の周りで、iPS細胞 SOX2 ChIP-seqデータと、その他の転写因子結合を表しています。
水面の映り込みはピークコールデータのイメージです。
メインCGは、いつかお仕事してみたいなーと思っていた新井克哉さんにお願いしました。
CGをイチからお願いするのは初めてだったのですが、モデリングを見せていただいた時「カッコイイ!映画みたい……。」と。
新井さん曰く「海は映画(ハリウッド)とかでも使ってる手法で生成しています。潮流を2つ発生させてぶつけて波を作ってるので、本当の波のメカニズムなんですよね。
流体とか気体とかのグラフィックにはもってこいなのです。」と。
見た目じゃなくて、シミュレーションから作成されていたなんて……驚きでした。ここから少しファンタジーに寄せていただきました。
血液型と同じ様に遺伝子型も似たようなところがあり、
両親から受け継いだ長い遺伝子配列(A、T、G、Cの4種類の核酸塩基)の中で変異する部分、遺伝情報の差の積み重ねから病気のなりやすさや体質を推定することができます。
例えば「お酒が強い/がんになりやすい/太りやすい」など。
以前、遺伝子検査をやってみたことがあるのですが、もしかしたら「ChIP-Atlas」を利用した研究によって結果もどんどん更新されていくのかも……と、ワクワクしています!
2018年4月27日
JAXA「エアロスペーススクール2018」のポスター&フライヤーのデザインを担当させていただきました!
JAXA宇宙教育センター宮田景子さんより
「具体的なイメージを描きにくい宇宙開発の仕事について、
実際のエンジニアや参加者との交流を通して視野を広げてもらいたい。
興味ある分野の"ホンモノ"を体験することで気づける何かがある、
それを進路選択の前向きなエネルギーに変えてほしい。
ワクワクする心を大切に、自分の中の新しい可能性に出会ってほしい。」というお話に、
高校生の一歩踏み出すきっかけを作るお手伝いができるのは、素晴らしいことだなって打ち合わせで熱くなりました。
今回は気軽に参加できるようなやわらかいイメージの案、
資料の感想やメッセージをピックアップし参加者に焦点を当てた案、
メッセージを直接伝える案の中から、この案に決まりました。
きっとこの写真が撮影された瞬間、
みんなの視線はパラシュートに向かい、開くかどうかという不安から上手く開いた喜びを感じているんだろうなって、
なんだかデザイン上の空を見上げてしまいました。
いまひとつデザインが浮かばず、
「そうだ最初に立ち返って資料見よう!」と、参加者の感想とメッセージを見始めたところ、
かなりの枚数があったのと、自分が進路に悩んだりした時の気持ちなどが重なり、読み終えるのに1時間半かかりました。
とある参加者さんが、自分の夢である「宇宙食の開発をすること」を語る時、
笑われるかバカにされるから学校では管理栄養士になりたいと嘘をついていた。と書いてありました。
「宇宙の仕事に就くのが将来の夢」と小学生の頃に話すのと高校生の時に話すのとでは違うだろうし、
自分を偽らないといけないのは辛かっただろうな、スペスクで仲間に出会えて本当に良かったね……と、
泣きながらデザインしていました。
エアロスペーススクールは開催地によって、テーマが違います。
宇宙科学実験、航空技術研究、ロケットエンジン、航空宇宙工学、宇宙環境利用、ロケット/発射場開発
JAXAのイベントなので、理系の高校生が参加するのかなと思っていたら文系の方も多く参加されています。
気になった方は是非!少しの勇気で未来の仕事仲間、一生の友達と出会えるかもしれませんよ!
4月28日より応募開始です☆
#Science #Engineering
2017年9月29日
グラフィック社刊 竺 覚暁 著「図説 世界を変えた書物
科学知の系譜」のアートディレクション&デザインを担当させていただきました!
年度末進行でげっそり気味の3月初め、
編集さんより「古い学術書を集めている大学があるんですよ」と、電話が。
「それは……金沢工業大学さんですね。宇宙系の展示でたびたびクレジットに出ているのを見て気になってました」
「そうそう! 僕も展示を観て気になって調べてみたんですよ。
例えば、マンガ描いたりCGを作る時に、本の中身は表現できても外側がどうなっているかの資料もないと思うんですよ。
内容はもちろん興味あるけれど、展示されてた本の表紙とか見たくないですか?」
「み、見たい……ですし、作る前からこの本欲しい!」
電話が終わった後、早速イメージ作り用に取り上げたい本や本が保管されている貴重資料室の写真が届き、どんなデザインにしようかなとワクワクしました。
竺先生より
「本に書かれている内容については他でも紹介しているから、本そのものの美しさ、存在感、時代性、電子化されたものとの違いを出せるといいかな。
"物としての本" を紹介したい」とのことで、
この本が本棚に置かれた時、手に取った時にどう感じてもらえるのか……しばらく考えました。
打ち合わせで伺った時、金沢工業大学さんがある金沢市は、日本の金箔総生産量のうち99%を占めると知り「至るところで金箔推しだった……これはもう ”金” で行こう!」と。
特色は「LR輝ゴールド」を使用してます。
帯はこの紙に図など書いてあるような雰囲気を出せたら……と、手触りのある紙をセレクトしました。
また貴重資料室は金沢工業大学の建築を設計した建築家大谷幸夫氏のデザインで、ゴールドとシルバーの壁も金沢の伝統工芸を意識したのだそうです。
ゴールド側の壁は最初のページの撮影で使わせていただきました。ここに並べてある本は全て掲載されている本です。
撮影の立会時に感動したのは掲載する本のリストを見て、司書さんが本を探し出すところです。
手袋をした司書さんの凛とした雰囲気。
一人が読み上げ、一人が探す。
この中から100冊も探し出すのは大変だろうなって思っていたら、あっという間に探し出してくださいました。
プロだなぁと。
しかも、資料室は低温でとても寒く長時間に渡ったのでダウンコートを着ていたのですが、司書さんは半袖でした……。
また、この本に掲載されている論文が、後にどのように影響を与えたのかという知の連鎖についても図で表しています。
2015年に大阪でイベントがあったんですよね [世界を変えた書物]展 人類の知性を辿る旅。
東京でも是非、開催していただきたいです。
撮影時、回ってきた170年以上前の学術誌は小さく、
「研究者の方々の様々な思いが、ここに詰まってるんだよね……」と、手を置き、その温度を感じてしまいました。
2017年10月発売予定です!
2017年4月5日
2018年3月24日-28日に行われる国際天文学連合のカンファレンス
「Communicating Astronomy with the Public(CAP) 2018」世界天文コミュニケーション会議 2018 in 福岡のポスターデザインと、ロゴの改訂を担当させていただきました!
はじめに国立天文台 内藤誠一郎さんより、
「宇宙や天文学というよりは、各分野から人が集まる・共存するというイメージが欲しい。日本らしさ、開催される時期の福岡の季節感を出したい」とのことで、
日本らしさ=浮世絵を使った案、桜とジャパニーズ・ポップなイラスト案、桜色の銀河と国立天文台さんの江戸時代の資料を使った案などから、この案に決まりました。
ロゴは日の丸のイメージを重ね、2018年3月24日の20時-24時の星空の軌跡をステラナビゲータで描いていただいたものに合わせています。
ロゴ単体でも「日本らしさ、季節感」を出していけるようなものになっています。
イラストはいつかお願いしたいなーって考えていた、ちゃもーいさんの描き下しです!
内藤さんとのやり取りで、どんどんイメージが膨らんでいったのですが、
ユネスコの無形文化遺産登録に決定された博多祇園山笠の山車のように様々な宇宙・天文要素が積み重なるイメージと、
カンファレンスで集まり対話することが、ある意味ではお祭りなのかなと。
また、アジアの方が場所的に多く来て欲しいところもあり、
アジアの地域的な天文伝承として七夕伝説のモチーフを使用しています。
ちゃもーいさんのイラストから宇宙好き成分を感じとっていたのですが、
上記のように今回の要求がかなり大変だったので、上手くまとめてくださったことに感動しつつ、
「私も天文が好きなので、とても楽しく描かせて頂きました!!」というコメントに一安心しました。
桜吹雪と相まってちょっと宇宙に恋したくなっちゃいそうなイラストだなって思ってます☆
実はお話をいただいた翌日、CAPってなんだろ…と届いた資料を確認し「国際天文学連合」を検索したのですが、
「このロゴ見たことある!!! た、担当していいの!?」と、かなり焦りましたし、前回のムービーを見てえらいこっちゃと頭を抱えました。
また、2017年10月にオープン予定の「福岡市科学館」が会場と知って、
世話人の方々や福岡市科学館さんの気合いも感じました。
宇宙をどんどん進む山車が2018年の3月に向け、これからどんな軌跡を描いていくのか今から楽しみです。
一般向けの講演会(日本語)も予定されてるようですので、要チェックです!
2016年12月28日
2017年5月22日ー24日に行われる、
「NGS現場の会」第五回研究会の告知ポスター、フライヤーのデザイン、ムービーのディレクションなどを担当させていただきました!
東北大学東北メディカル・メガバンク機構の荻島創一さんより、
「ぼんやりとテーマは " NGS技術が変える社会 " 、愛の次は社会じゃない?」
「グラスルーツ的に始まり、社会のいろんなところで使われるようになったことからフラットにしたいので、デザインでもフラットな感じを表現したい。」とのことで、
数案の中からこの案に決まりました!
WEBのデザインも合せていただきとても素敵になっています。
学会や研究会の講演者など、最初の告知の時に日付と場所以外は確定してないことが多いのそうなので、
「決まったことから徐々に情報を厚くしていきましょう」ということで、最初のポスターを作成しています。
今回の試みとして告知はWEBをメインに、ポスターにかかる予算をムービーへ。
ムービーは、いま存在しているモノからNGS解析するのとは逆に、ATGCの海の中から動物や植物ヒトが生まれていくことでNGSの多様性を。
ふと見渡すとATGCの世界が無限に広がっている……なんて考えてみたらワクワクして来たので、そこからスタートしてみました。
ブルーは海のイメージから来ています。
冒頭文字が消えていくシーンは、砂に書いた文字が波にさらわれ消えて行くように。
ちなみにムービーの中に出てくる塩基配列は「お花見メタゲノム」で解析されたリアルデータの一部です。
デザインパーツに命を吹き込んでくださったのは、スタジオkkの出口道子さんと松浦莞二さんです。
プログラム集は絶賛作業中ですが「前回以上のモノを作るとなると、いつも通りのイメージで変更できるとしたら……んー、仕様ぐらい?」と燻っていたら、
広報チームのみなさまと面白い方向へ進んでいます。
是非、現場=会場で受け取っていただきたいです。
次世代シーケンシング(NGS)は、膨大な数の遺伝子解析に欠かせない技術だそうです。
以前、ヒトとチンパンジーのDNAが99%共通で、どのくらいヒトの配列と似ているかというグラフィックを見て「こんなに違いが出るんだ!」と驚いたことがあります。
塩基配列を見てもムムムですが、こうしてゲノムの解析されたデータから可視化されると身近に感じますね。
まだまだ「NGS現場の会」第五回研究会の準備は続きます!
2016年6月15日
2016年9月29日ー10月1日に行われる、
第5回 生命医薬情報学連合大会(IIBMP2016)告知ポスター、バナーのデザインを担当させていただきました!
産業技術総合研究所の齋藤裕さんより、
「大会テーマの "ユビキタスな人工知能時代を先導する生命情報科学を考える" から自由にデザインして欲しい」とのこと。
「この "人工知能" はASIMOなどの人型ロボットではなく、大量のデータから学習して難しい問題を解いてくれるようなアルゴリズムや統計手法を指し、
例えば、化合物の構造 からそれが薬として使用できるか予測する、
遺伝子の多型からその人が病気になりやすいかを予測することを意味します」とのことでした。
「ゲノム情報」「タンパク質やRNAの構造情報」「代謝/PPIネットワーク図」を調べてみたら、
文字で見た以上に「あれ? わからないかも」と、かなり頭の中がこんがらがってきました。
脳型の集積回路から具体的な有益な情報や将来への期待感が感じられるもの、
DNAが抽象的に入っている未来推しのもの、
遠くで見ると「木」のように見え、近くでみたら生命情報科学なんだと、じっくり立ち止まってもらえるものの中から、この案に決まりました。
元々、キーワードの文字は英語でデザインしていたのですが、
「研究者以外の近い業界の人たちにも興味を持っていただきたいという思いがある」とのことで日本語を混ぜたものに。
ちなみにゲノムデータはヒトゲノムの一部です。
面白そうだなと思っていたら、なんと10月1日に「ヒト、菌、そして環境」をテーマにした一般公開講演があるそうです!
参加無料、予約不要です。 気になった方は是非!
自分の身体を作っているものだったり、
いま、自分が持っている情報なのにわかってない部分がたくさんあって、
そういう部分を人工知能に委ねるというのは、不思議な感じもします。
2016年4月5日
2016年4月19日に行われる、
京都大学 白眉センター 年次報告会・シンポジウム「〜自然を問う理系、人間を問う文系〜 研究の原点とは」告知ポスターをデザインさせていただきました。
京都大学 白眉センターの林眞理さんより、
「研究の原点を押し出したい」「白眉センターは様々な研究者の研究があり、ビジュアルとしてどうまとめるかが問題」とのことで、
こちらからは「とにかく "原点" が目に入るようなものにしましょうか?」とお話し、
いにしえから伝わる記述が古い布に書いてあるようなもの、「研究の原点」という名の本を開くイメージ、
原点という言葉からイメージした荒削りでストイックなものの中から、この案に決まりました。
背景の文字たちは、白眉で研究されている各カテゴリーになっています。
また「白眉センターってどんな風に見えてますか?」というなかなか答えづらい問いに、
「何かスゴいんだと思うのですが、正直どんな研究をやってるのかよくわからないイメージですかね……。」と伝えたところ、
「外部の方にも是非来ていただきたいし、面白い研究をしている人がたくさんいるので特に学生さんに来て欲しい」と。
「他の大学イベントプロデュースで感じたのは、英語になると同時通訳対応がない限り、敷居がかなり高くなる」
「年次報告会の表記は、内部の報告会と思ってしまったので、ポスターを見た白眉センター以外の大学の方や一般の方は参加しづらいのではないか」とお伝えし、
シンポジウムを付けることに。
これまでシンポジウムのポスターを担当する際「必要あるのかな? デザイン的にはジャマだな」と思ったりしていたのですが、
参加の垣根を低くするものになるのか!と、ハッとしました。
このシンポジウム、無料です!(要申し込み 先着170名)入退室自由
14時から18時までとかなり長時間ではありますが、
講演と講演の間になんと「全白眉研究者によるポスターセッション」もありますので、70人(白眉研究者68人+招待演者2人)の研究者の方々の原点を伺っていると、あっと言う間に時間も経ってしまいそうですね。
どんな好奇心から研究を始められたのか……気になります。
2016年2月16日
第6回 すばる望遠鏡 国際会議「The 6th Subaru International Conference in Hiroshima, Japan Panoramas of the Evolving Cosmos」
ポスターデザインを担当させていただきました!
初めに広島大学 宇宙科学センターの内海洋輔さんより
「 "すばる望遠鏡" と "厳島神社の鳥居" と "銀河像"
ふんわりとした難しい依頼があり、
厳島神社の鳥居の色と似たすばる望遠鏡の写真をセレクトし、
あえて広島をアピールせずアンドロメダ銀河と少し先の未来を感じさせるようなイメージのものの中から、
最終的にタイトルの「Panoramas...」
線画は超広視野主焦点カメラ Hyper
Suprime-Cam(ハイパー・シュプリーム・カム)のCADデータを出していただいてます。
内海さんはこの開発に関わってらっしゃいます。
すばる望遠鏡は、
ダークマターの地図や、一つ一つが大きく見える比較的近くの銀河の形成史を探るのにも使われています。
以前、すばる望遠鏡の建設が始まった頃の「天文月報」
当時の建設に関わっている研究者の方々の文章は、新しい望遠鏡ができること、
山頂で工事が始まったばかりのモノクロ写真を見ながら爽やかな気
この国際会議でも、新しい研究成果が発表されるのでしょうか。
また、
2015年11月9日
2015年12月12日(金)に行われる第21回アルマ望遠鏡公開講演会/大阪市立科学館スペシャルナイト『アルマ望遠鏡で挑む星と銀河の誕生の謎』の
ポスター、フライヤーのデザインを担当させていただきました!
今回のイメージは、国立天文台チリ観測所の平松正顕さんより、
「宇宙を観る新しい眼ができたぞ、ということを押し出したい」とのことで、
実際にアカタマに行き南半球の星空を見上げているようなイメージや、
チリの砂漠っぽい色とアルマ望遠鏡色がリンクし、日本の12メートルアンテナのフレームが印象的だったのでそれを取り入れたもの、
観測画像を使って「アルマ新聞」に見立てたものなど数案から、
星空もアンテナもわかりやすく、アピール力も強い今回の案に決まりました。
QRコード部分はアルマ望遠鏡からデータを受信してる感じが楽しいかなと(笑)。
アルマ望遠鏡については、2014年の国立天文台特別公開のアルマ望遠鏡ブースで、研究者の方々にかなり詳しくお話を伺っていたので、
「電波干渉計キターーッ!!!」と盛り上がりました。
宇宙からの電波はとても弱く受信するためには、精度が高く大きなアンテナが必要になります。
大きなアンテナを作ることは出来るのですが自身の重みで反射鏡が歪み観測の精度が悪くなります。
そこで複数の電波望遠鏡を並べて得たデータ組み合わせ、一つの巨大な望遠鏡を作り出しているのがアルマ望遠鏡の仕組みでもある電波干渉計になります。
望 遠鏡が設置されているアカタマは標高5000mで、作業が大変だったんじゃないかと研究者の方に伺ったところ、
66台中の日本が設置した16台のアンテナ 信号を合成する高性能専用計算機の動作確認をする際、酸素ボンベを使用しながらの短い作業を何度も繰り返していたそうです。
平松さんは「天プラ」で、5年程前に、お名前を拝見しておりました。
「LSS扇子」を購入したときに関わっている人はどんな人たちなのかなと。
当時より「天プラは面白いものを作るなー。いつかサイエンスなグッズをちゃんとサイエンスに基づいて作ってみたいなー」と思うきっかけにもなりました。
夏に発売された『アルマ望遠鏡が見た宇宙』のカバーデザインもチェック済みだったので、
ご連絡をいただいた時は「あの平松さん……⁉︎」と、かなり驚いたと同時に嬉しかったです。
この本、アンテナの画像も観測の画像も多く、とても読みやすくわかりやすいのでオススメです。
ちなみに、これも天プラプロデュースの「銀河系で迷子になりそうな貴女のためのタイツ」は、
イベントで同じタイツを履いてる方と仲良くなり今も続いているので、銀河系で迷子になっても友達はできるようなので、きっと寂しくはないです☆
このイベント参加無料です。11月9日から申し込み受付開始(定員300名。先着順)です!
気になった方は是非!
前述の国立天文台特別公開で、ふとモリタアレイの話を聞いてしまい、あの方だったのか……と。
「森田さんはきっと名前付けらるなんて嫌だとは思うんですけどね」と、微笑みながら思い出すように話す、
一緒にプロジェクトに携わっていた研究者さんの横顔を見て泣きそうになりました。
様々な人の想いで2011年より動き出したアルマ望遠鏡、これからも原始宇宙や生命物質の起源など様々な謎を解き明かすのだと思います。
作業中に聴いていたACIDMANの『ALMA』いい曲です。
2015年11月8日
リターンも支援者のみなさんに届き、しばらたく経ちましたが、
鷲崎健さんのクラウドファンディングのリターン、アルバム製作記念同人誌『What a Pastaful Days~なんてスパゲティ日々~』のデザインを担当させていただきました!
本のデザインからの参加でしたが、でリターンが届いたという声がネット上にたくさんあふれていて、目に見えるカタチで喜びを感じています( #鷲崎大作戦 )。
お仕事の話が来たとき「クラウドファンディングから本の仕事が来る時代なんだなー、新しい!」と、ちょっと不思議な気持ちになりました。
打ち合わせでは二人の編集さんから熱いコンセプトを伺って、鷲崎さんの音楽の部分をフィーチャーしたアーティストブックを、
デザインはクールに、でも写真は楽しくということで進めました。
アルバム制作密着のページは、ついついこちらが笑顔になってしまう鷲崎さんの笑顔にあふれたページになっています。
クラウドファンディングで、これだけの支援金額が短期間で集まったこともそうですが、「鷲崎さんって、みんなに愛されてるんだなー」と、
原稿が入るたび伝わってきました。
支援の際に回線がパンクして繋がらず、リターンの個数も限りがありましたし、悲しい思いをした方々がかなりいたそうですが、
このクラウドファンディングでできたアルバムは発売もされたものの、
各所で売り切れたり、アルバムのデイリーランキングで1位になったりと話題が尽きなかったようです。
鷲崎さんが支援してくれた方や、これまで応援してくれたファンのみなさんに見て欲しいとフルバージョンで公開している曲のMVはこちら→ 鷲崎健「What a Pastaful World ~なんてスパゲティ世界~」MV
かなりHappyな感じです♪
作業をしながらパスタがめっちゃ食べたくなったので、きっとみなさんもパスタ食べたくなるんじゃないかなと思います♪
2015年10月10日
自治体連携プロジェクト「柳沢吉保サミット」のポスター&フライヤーのデザインを担当させていただきました!
柳沢吉保、柳沢家に縁のある自治体の首長が全国各地から集い、未来のまちづくりに向けて新たなつながりを作るというイベントであると伺って、本当にサミットだなと。
制作する前にいくつか調べてみましたが、柳沢吉保の長男である吉里が大和郡山藩の初代藩主となり、その時に金魚や金魚職人をこの地に持ち込んだことから、
今の大和郡山の金魚養殖業へとつながっているということに驚きました。
遡ること1724年ですからあと9年で300年です!
きっとこの後も続くでしょうから、歴史的な人物のちょっとした行動が今へとつながっているだなんて興味深いものがあります。江戸時代に行って伝えたくなります。
担当さんより「ダーティーかつヒールなイメージを払拭すべく功績などを新たな視点から掘り起し、目指すは大河ドラマの主役に…みたいな夢を描いています」
という、熱いメールをいただき、本当にドラマの番宣みたいなポスターになったら面白いかなと、そのあたりを意識してデザインしてみました。
敢えて目線を外したものを……というのは担当さんのイメージでもあり、上下左右いろんなパターンの写真を各自治体の方にご用意いただき、
なかなかパンチの効いたポスターになったと思っています。
このイベント無料です(先着800人、要事前登録)。申し込みも始まりました!
『将軍側近 柳沢吉保―いかにして悪名は作られたか―』の著者、福留真紀氏の講演会とパネルディスカッションがあります。
気になった方は、是非、一緒に「いかにして悪名は作られたか」考えてみませんか?
2015年9月7日
新学術領域研究「太陽地球圏環境予測:我々が生きる宇宙の理解とその変動に対応する社会基盤の形成」のロゴを担当させていただきました!
太陽から地球への影響は、人工衛星が故障し衛星放送が中断したり、飛行機やGPSなど地上の無線通信にも障害が出ます。
「宇宙天気予報」はすでにISSの宇宙飛行士の船外活動の避難などに利用されていますが、
生活に密接に関わるものとして停電による被害と社会インフラへの影響です。
1989年3月にケベック州で起きた大停電のような影響は緯度の関係で日本では小さいと考えられてますが、
今年の3月18日、6月23日と、11年ぶりに北海道でオーロラが観測されたということは大きな磁気嵐が起こっている、とのことです。
ロゴのイメージは、太陽の様々な現象によって地球が受ける脅威を表現しました。
地球にかかる部分は「予測によって防ぐことができる」というイメージでもあります。
最初「ガツンと宇宙天気なイメージですよね」と伺ったところ「はい、ガツンと宇宙天気イメージです」と担当者さん。
他の新学術領域研究のHPを見てみると「シンボルタイプのロゴ+研究の名前」がセットになっていることが多いので、シンボルタイプのロゴに。
太陽嵐を地球の磁場が守っているところを模式図にしアイコン化したものや、
太陽からCMEが地球へ勢いよく飛んで来ているイメージを表現し略称「PSTEP」の「P」と重ねたもの、太陽フレアの磁力線の動きを二次元で表現し和風にしたものなど、数案の中からこの案に決まりました。
最初は「太陽から地球への影響」ということで、太陽嵐と地球の部分だけを表現していたのですが、
「嵐の原因となる太陽活動の予測からしなくてはいけないという主張を我々は持っているので、太陽は明示的に示したい」ということで、今のカタチに。
キランとしてるアイデアは担当者さんからですが、このキランはなんだろう思っていたところ「フレア爆発」と伺って、「あっ!太陽観測衛星SDOのあの画像かな?」と。
また、広報チームの方々からのコメントで「黒地の版が好みです。Tシャツも作るとか」というコメントは嬉しかったですし、
「CIRっぽい構造も見えますね」から「CIRっぽい構造って何!?」と。
ちなみに「CIR」は「共回転相互作用領域(corotating interaction region)」の略で、高速太陽風が先行する低速太陽風に追いつく領域のことだそうです。
何が起こっているかというと、速い太陽風が先に出ている遅い太陽風に追いつき、それがぶつかるところで太陽風の不連続ができ、衝撃波になるそうです。
それは地球への影響もあって、オーロラの原因の一つだと言われているそうです。
万が一に備え、太陽活動から今後の社会生活を守るため観測し予測する…… 3.11の震災での混乱がまだ記憶に新しいこともあり、考えさせられます。
2015年8月17日
学術系クラウドファンディング「カミナリ雲からの謎のガンマ線ビームを追え!」のリターンプランとグッズのデザイン、
プロジェクトのイラストを担当させていただきました!
アカデミストは研究費獲得に特化したクラウドファンディングサイトです。
「天文学のプロジェクト」で存在については知っていたのですが、こうして関わることになるとは思ってもみませんでした。
京都大学 白眉センターの榎戸輝揚さんよりプロジェクトの内容を伺って、
宇宙線といえば「超新星爆発による衝撃波」や「ブラックホールや中性子星のジェット」のイメージがあり、
光の速度近くまで粒子を加速させるには巨大な粒子加速器が必要なことは知っておりましたが、
身近な雷雲の中でそれが起きているなんて面白いですし、観測の結果がどうなるのかみてみたい!というワクワク感で、即協力することに。
プロジェクトのイラストを作る過程で、冬の雷雲は日本以外ではノルウェーの大西洋沿岸に限られた気象現象で、かなり低い高度で雲が発生することを知りました。
いただいた修士論文や資料を読んだり、また自分で調べていくうちにイラストの雷の高さを低くすることを
わかりやすくするためには省きたいものの、間違いがあってはいけないので、何度も繰り返したやり取りは常に緊張感がありました。
リターンのプランやグッズについては、これまでのプロジェクトや他のクラウドファンディングサイトを参考にしました。
「こういうのが欲しい!」というグッズの中から実現できそうなものを数案出し、お二人にセレクトしていただきました。
キーデザインにしている「粒子加速の図と検出器の基盤」は、プロジェクトの説明には「粒子加速」そのものの詳しい説明はないので、それについてわかりやすい図を作り、
グッズのデザインにするのはどうかと提案しました。
榎戸さんが手描きしてくださった図をトレスし、理化学研究所の湯浅孝行さんが作成する基盤の図面の一部を組み合わせています。
イメージ的には、ボイジャーのゴールデンレコードのような感じで、
誰かが空けて見るわけではないのですが、粒子加速の図が描いてある基盤を検出器に入れて観測していたら、ちょっと楽しいかなと。ナットで留めてあるデザインはそこから来ています。
プロジェクトの紹介ムービーの撮影にも立ち会いましたが「もっと笑顔で!」「ここに聴いている人たちがいる感じで!」と、お願いし、何度か撮り直しています。
そのたびに「あーっ!」と、裏で練習をし直しているお二人からは想像できないような、素晴らしいムービーです。
ムービーの編集は担当してないのですが、以前、北陸の方に「雷の音を聞くと冬が始まるんだなって思う」という話を聞いたことがあり、
湯浅さんのムービーの草案を拝見し「ここに入ったら凄くいい!」と思い、"雷の音" を入れていただきました。
その後プロフィールを読んで、湯浅さんが石川県のご出身と知り、ちょっと恥ずかしかったです……。
いよいよ本日スタートです。
研究に興味を持った方はもちろん、グッズが欲しいなーと思ってくださった方も、是非一度、サイトを訪れてみてください☆
2015年8月11日
東京工業大学 工学院 システム制御系 システム制御コースのパンフレットのデザインを担当させていただきました!
「システム制御を表現する……?」まずはそこからでした。
大 学に伺うと学生さんがロボットのような機械を作ってなにやらテストしているイメージがあったので、ロボットとつながるイメージでデザインしていたのです が、
途中から「動きをデザインする科学が制御である」ということが見えてきて、「つながる」部分は残し、今のデザインになっています。
また、ブルーは「東工大のスクールカラーを生かして欲しい」ということで、文字色などは合わせてます。
倒れずに動かすということや、動きながらカタチを把握する、音を聞き分けるなど、
人間の動きはこんなに沢山の感覚や行動の過程を経て、なめらかに動いているのかと改めて感心しました。
「IDCロボットコンテスト」も取り上げられているのですが、写真をセレクトする時に「どれが東工大生チームなんだろう」と、ちょっとわからず、
運営サイトに「世界中から集まった大学生たちが、数人にシャッフルされたチームを結成しロボットコンテスト優勝を目指します」と書いてあるのをみて、
写真の中のみなさんはとても充実した顔をされてますが、なかなか大変なコンテストだったんだな……と。
このパンフレット、先日のオープンキャンパスで、ほとんど配られたそうです。
当日の様子の一部もサイトで取り上げられてますが(パンフレットもチラっと写っています)なかなか面白そうなので、
パンフレットも共に心に残ったらいいなと思います。
2015年6月25日
2015年7月31日(金)に行われる2015年 全国同時七夕講演会「七夕の夜は宇宙を見上げて」のポスター、フライヤーのデザインを担当させていただきました!
2009年の世界天文年からスタートした「全国同時七夕講演会」は、
7月7日の七夕の日を中心とし、その前後の期間にわたり、全国各地で同時に天文や宇宙の講演会を実施するというイベントです。
この講演会は「国際光年2015」国内イベントにも登録されています。
国立天文台の柏川伸成先生よりお話があり、今回のテーマが「七夕から暗黒物質まで」ということで宇宙の組成の23%を占めていると言われる暗黒物質(ダークマター)ですが、
目には見えないですし、イメージをどうしたらいいか伺ったところ
「不思議で、謎で、妖艶な感じ? だけど七夕の安心感もあるような感じにしていただければよいと思います」というなかなか難しいオーダーに、
ダークマターの分布を計算するための粒子同士の相互作用を計算するための式を入れた案や、物質と反物質をイメージしたもの、東京の町並みから宇宙を見上げているものなど、
数案出して決まりました。
採用された案はパッと見に「今回のテーマは暗黒物質なんだ」とわかるようにしました。
とはいえ、七夕っぽさも必要かなーと、夏の大三角形を。織姫星がこと座のベガ、彦星がわし座のアルタイルになります。
2つの星の間は14.4光年ほど離れていて、光のスピードでも約14年半かかってしまうと知り、ちょっとショックでした(「七夕について教えて」より)。
「入場無料」部分がカクカクしてるのは、「多様体」を少し意識してみました。
背景の画像は、理化学研究所計算科学研究機構のスーパーコンピュータ「京」と、国立天文台の「アテルイ」を用いた、
宇宙誕生から138億年後(現在)のダークマターの構造形成の大規模シミュレーションの解析結果を使用しております。
デザインを考えながらこの「The ν2GC
simulations」のダークマターが途方も無い時間をかけて重力によって集まって行く進化を見ていたのですが、
いま起きている日々の雑多な悩みなど、ちっぽけに思えてきました。
この講演会、入場無料(7月1日より申し込みスタート! 定員500名)です。
講演後、講師の村山斉さん[東京大学国際高等研究所カブリ数物連携宇宙研究機構(Kavli
IPMU)機構長]に、宇宙のことを質問できる時間もあります。
2011年秋に柏川先生とお話した際、1週間前までデザイナーを探していたと伺って「天文・宇宙業界にデザインが入り込める余地ってあるんだ!」と心躍りました。ビッグバンが起きた瞬間でした。
先生にとっては何気ない一言だったと思いますが、科学の世界に踏み込むきっかけと勇気をいただきました。
数年間忘れずに、このようなお話をいただいたこと、とても感謝しております。
追記:このポスター、近隣のJRの駅にも掲示予定とのことです☆
2015年6月4日
2015年6月17日(水)−19日(金)京都大学 人文科学研究所で行われる
「International Workshop on Traditional Sciences in Asia 2015: An Interdisciplinary Investigation
into Overlapping Cosmologies(アジア伝統科学国際ワークショップ2015:古今の宇宙観)」の
告知・公開講演会のポスター、フライヤー、バナーなどの、デザインを担当させていただきました。
この国際ワークショップは、歴史系研究者と自然科学研究者が集まり、「古代の宇宙観」と「現代科学」の宇宙観が、時空と空間を越えどのように交差するのか探る会議だそうです。
お話を伺ったとき、デザインのやり取りをする担当の方が海外出身の方と聞き、ちゃんとカタチに出来るのか不安になりましたが、
京都大学の磯部さん、山下さんが間に入ってくださり、広報担当のジェニファーさん、主催者のビルさんのお二人は日本語が上手だったので、その不安も吹き飛びました!
とはいえ、急ぎのやり取りはジェニファーさんと進めますので、日本語と英語を交えながら(こちらは日本語ですが)、
担当さんのイメージを理解したことや、こちらが必要なものを簡潔に伝えるのが、普段の仕事と違うので少し時間がかかったところです。
今回のイメージは、ジェニファーさんより「同じ写真を違う視点から見るというシリーズを数枚並べたい」ということでした。
これは並べたらインパクトあるだろうなとワクワクしつつも、宇宙の素材を対峙させるにはどうしたらいいか……なかなか難しかったです。
銀河と木星の上にある図は、大将軍八神社に収められている陰陽師の書き残した資料から作成しています。
図を見ただけですが、地は丸くその上に人が立ち、天があるという考え方が、こんな昔から日本にあったんだと衝撃を受けました。
ちなみに「Arts」は現代的な意味の「芸術」ではなく、Liberal Arts(文法学・修辞学・論理学、算術、幾何、天文学、音楽)を意味します。
エスペラント語の研究もされているビルさんが、デザインさせていただいた「宇宙計画研究室
Kosmo-Rondo」のHPを見て、宇宙人類学など学際的な研究をされている磯部さんと繋がったそうです。
また、ワークショップの打ち合わせした時に「このフライヤーを作ったデザイナーを知ってますか」と、
『宇宙にひろがる人類文明の未来
2015』のフライヤーを持ってきてくださったと聞き、とても嬉しかったですしデザインで間接的に繋がったのは面白いなーと。
一般向けの公開講演会「時空を超えて交差する宇宙観」無料ですが要予約です(50名)! こちらは日本語で行われますので、ご安心を(笑)。
いにしえから続く天文観測の中心地の一つである京都で、どんな議論が飛び交うのか……楽しみですね☆
2015年5月8日
2015年6月6日(土)に行われる、名大祭 研究公開企画 「名古屋大学 太陽地球環境研究所 一般公開 」告知ポスターデザインを担当させていただきました。
オーロラを題材にしたお仕事は、何度か担当させていただいてるので "かなり作りやすいはず!" と思ったのですが、
研究所は様々な研究をしてますし、細かく説明するのは楽なのですが「こういうことやってるんだ!」と、
パッと見た瞬間に一般の方にもわかるようにするには、どうしたらいいのかが難しかったです。
太陽も地球も丸く、大陸も丸い。
宇宙から地球の大気に伝わってくるもの、地球の大気に地表から影響を与えるもの……そんな繋がりが伝わったらと。
他の案は粒子が降っているようなものや、それぞれの現象が高度何kmくらいで起こっているのかを表現したものを作ったのですが、この案になりました。
ポスターに使用しているオーロラの画像は、太陽地球環境研究所の野澤悟徳さんが、
2007年2月27日午後8時ごろにノルウェーのトロムソ(北緯69.6度:この緯度は、南極の昭和基地とほぼ同じ)で、撮られたものです。
このオーロラはディスクリートオーロラ(カーテンや弧のように見えるはっきりしたオーロラ)と呼ばれるものだそうです。
150枚近くあったので「どれが一番オーロラっぽいかな」と、いろんな表情のオーロラを見ながら唸っておりました。
昨年、一般公開に参加したのですが、各階ごとにいろんなテーマがあり、実験もたくさんあってワクワクしました!
施設はもちろん特別講演会も入場無料ですし、事前申し込み無しでお話が聴けます。
このポスター、学内はもちろん名古屋市内の全中学、高校、図書館に配布されるそうです!!!
会場で仲良くなった進路に悩んでいる理系の大学を目指す女子高生。
ちょっとクールな彼女は一人で参加していて、研究者の方々に質問や、大学に進んだらやりたいことなど相談してました。
この一般公開がきっかけで、近くにあるサイエンスに目覚めたり、研究所でその道を目指す人が出てきたら……うれしいですね☆
2015年4月17日
宝島社刊 寺本りえ子著『JOY of AGING -VEGEO VEGECO Style-』のアートディレクション & デザインを担当させていただきました!
料理ページのデザインをデザインしたことはありましたが、ライフスタイルを含めた料理本を撮影から立ち会ったのは初めてなので、
お話をいただいたとき、とてもわくわくしました! それと内容を伺って「本が終わる頃には健康になれそう」と(笑)。
ほぼ(1名以外)、女性だけの現場も初めてだったので新鮮でした。
早朝から撮影がスタートし、どんどん料理ができて行くのですが、その間、表紙にもなっている美しい野菜たちや、寺本さんのお気に入りの道具を撮影。
見た目にもおいしそうな料理を前にオナカを鳴らしながらの撮影立ち会いは、なかなかの苦行でしたが、二回もおかわりしてしまう程おいしかったです♪
人物撮影の時はあまり決め過ぎないようにしているので、撮ラフを全ページきっちり作ったのもいい経験になりました。
全体的に「洋書のようなイメージで」ということで、こんな感じになってます。
カバー無しの表紙というのは初めてで、編集さんからの提案に「いいですね! やってみたい!」と。
紙は「コラボファインW」という板紙で、箱などに使われる厚い紙です。
中の紙は「Hiらふらんす」という微塗工紙で、本になった時に女性が持ち歩きやすい軽い紙になっています。
仕事を頑張る女性は自分のことや健康について後回しになりがちですが、
寺本さんも音楽アーティストとして忙しく活動されてましたし、そのあたりのこともこの本に書いてあり(対談もあります)、
野菜や料理だけではなくストレスとの付き合い方や、今から簡単に始められることについて書いてあるので、この本を読んでるだけでも気持ちが楽になります。
ここから中身が少し読めますよー。
楽しみながら年を美しく重ねる……肩の力を抜いてのんびり読みたい本です。
2015年2月15日
テレビアニメ「異能バトルは日常系のなかで」スペシャルイベント黒焰に導かれし者達の宴(ダークネスカーニバル)の
イベントパンフレットのデザインを担当させていただきました!
テーマは「厨二病で、異能っぽくPOPな感じで、お願いします」……んっ!? 「担当さんの言ってることわっかんないよ!」状態でした。
撮影場所のセレクトから担当させていただきましたが、カメラマンの山本さちこさんが素敵な写真を撮ってくださいました♪
声優のみなさん仲良しで、現場も " ほんわか + キャッキャッ " しておりましたが、いざ撮影が始まるとプロの顔に。
ソロカットの時は少し緊張感があるのですが、みなさんで会話している時は普通の女のコになってお話してましたよー。
それから黒板に描いていただいた「絵」! お願いしておいてなんですが多芸ですよね!線に迷いがなく、さらさらと描いてくださったので驚きました!
岡本さんは「厨二っぽく」ということで、それっぽい本を持っていただきました。 ※読み易い本なのでオススメです。
ポージングをこれまで見たこともないくらい、いろいろ変えてくださったのでスタッフ一同大盛り上がりでしたが、やはりカッコ良いものにしました。
クレジットのところで使っている岡本さんの写真は、異能なのか軌跡の一枚が(笑)。
写真をセレクトしながら「瞳に吸い込まれそう///」と、キュンキュンしてしまったので、ファンの方もきっとキュンキュンしてくれるといいなーと☆
あまり先入観を持って現場に立たないことにしているのですが、お会いした後にアニメの声を聞いてみると、
みなさん普段と全く違うので感心してしまいます。
イベントロゴは、「厨二病っぽさ」にも慣れた最後の方で作業したのですが、
若干、控えめなものと2パターンのうち「厨二病っぽい方がいいです。こっちで行きましょう(笑)!」と、サクッと決まったので、だいぶ「わかる」ようになったのかなと(笑)。
それにしても、イベントパンフレットって豪華ですよね。表紙は描き下しですし、声優さんの手書きメッセージやサインもあったので「こ、こんなに素材があるの!!!どこに入れよう!!!」と迷いました。
監督さんや音楽担当さんの濃いインタビューも面白くて、このパンフレットを見てからアニメを見直すと、また違った見方になるだろうなと読んでいて感じました。
ここでSAMPLE画像を少し見ることができます。
デザインのイメージ作りとして見た「鳩子ちゃんのあのシーン」……一発撮りというのもスゴいのですが、感情の高ぶりとともに台詞を話し続ける演技……衝撃的でした。
2分半なのに10分くらい見ていた感じです!
2015年1月27日
2015年1月31日発売、実業之日本社刊
『nature 科学 未踏の知』地球(地球文明)・環境・宇宙
『nature 科学 系譜の知』バイオ(生命科学)・医学・進化(古生物)
『nature 科学 深層の知』物理数学・物理化学・工学・ロボット
装丁を担当させていただきました!
遡ること2012年の秋、ムーブエイトさんのご紹介で、編集部に伺ったとき、
「わたし最近、宇宙が来ておりまして…」と、数少ない宇宙な作品を見ていただいたところ「実は、宇宙の本作ってるんですよ!」と編集さん。
しばらく編集さんが作られた本や、サイエンス話で30分くらい盛り上がり、
「今、この本の続編を考えていて……」と見せてもらった「知の創造」を見て「ん!? nature……って、あの!?」と思わず確認してしまいました。
もし、本当にこの本を担当することになったら宇宙だけではなく、他の分野も知らないといけない、これは大変なことになる……と、
不安になりつつも身体中が熱くなりました。
それから二年が経ち、宇宙以外のサイエンスカフェやシンポジウムにも参加し、少しずつイメージを溜め込んでいたところ、2014年の9月頭にいよいよ動くと連絡が!
デザイン出しまで一週間(!)だったので、かなり焦りましたが、
各「知」のタイトルが目立つ案、「知の創造」のようなイラスト案、これからも探って行くという期待感を紙の素材感で出したもの、そして帯で語るパターン……結果、現在のカタチになりました。
帯の幅を決めるとき「この白い部分は黄金比になっているので、幅はこのままで行きたいです!」と、編集さんと話したり。
シンプルなデザインにした分、カバーの紙は少しだけキラキラした紙にしています。これは新しいものに挑み続ける研究者の方々が纏う煌めきを表現しています。
ちょっと厚い本なので、読者の方々とこの本は長く時間を過ごすんだろうなと、触り心地も含め紙にもこだわって作っています。
また、図書館に置いてもらうことも考え、カバーを取って読んでいたら「あの本はなんだろう」と周りの人が思うような表紙にしましたので、是非、カバーも取って見てみてください!
各記事の紹介ページは他のデザイナーさんが担当されてますが、それ以外、扉や目次をデザインしております。
目次ですが、
『未踏の知』は、カバーまわりが宇宙ぽかったので、目次の下のイラストは地球のイメージで。
『系譜の知』は、生物の系統樹の一つの形、人類進化、染色体から二重らせん。
『深層の知』は、中性子、基盤や歯車を。
各章扉はいろんなパターンを出してみたのですが、セレクトしている間、膨大な量のさまざまなモノが美しいバランスで繋がり、いま生きている世界があるんだなと感じました。
前作から15年、この次もまた10年、15年後になるかもしれない……きっと、どんどん新しい結果が出てサイエンスの世界も変わって行くのでしょうね。
2014年12月11日
2015年1月10日(土)、11日(日)に行われる、京都大学 宇宙総合学研究ユニット シンポジウム「宇宙にひろがる人類文明の未来 2015」
ポスター・フライヤーのデザインを担当させていただきました。
なんと今年は地下鉄の車内でこの広告が見られるそうなんです!
今回のイメージは…… 京都大学学際融合センターの磯部洋明さんより、
「やっぱり人だよね」と、宇宙人類学研究会のお話や、今回のシンポジウムで取り上げたいという、なかなか興味深い内容を伺い、
「人と宇宙といえば、今年はやはり "火星移住計画" ですかねー。京大さんで火星を観測していたりしますか?」
「そういえば宮本正太郎の……」と、見せていただいたサイトに、『変動する宇宙の姿―京都大学の宇宙世界―』という気になる動画があり、
この中で紹介されている "火星図" を見て「これは!」と意気投合し、動画の企画・構成を担当された、
宇宙ユニットのメンバーでもある山下俊介さんに、その日のうちに手配していただきました!
ちなみにこの動画の中の "太陽の磁気流体シミュレーション" は磯部さんのものだったそうで、
「あっ!これ僕のシミュレーションです」と驚いてらしたのですが、その様子にわたしも驚きました(笑)。
背景に使われている「海老沢火星図, 1957-1959.」ですが、当時最も精密な火星図のひとつとして世界中の火星観測者に使用され、国際的に高く評価されたものだそうです。
倒立像のためスケッチ上が南極方向となっています。画用紙3枚に書かれているというのも驚きです。
また、火星は2年2か月ごとに地球に接近するので、2010年から2022年までの最も近づく位置も表しています。
三日月に見える天体は、火星図だけではわかりにくいかなーというのもあり、ただ "火星、火星したくない" ので、よく見たら月じゃなくて火星だったという程度にチラっと使用しています。
採用された案以外にも、以前、磯部さんからパンチのあるイメージの提案があり、面白そうなので「ダメもとで作ってみましょうか?」と作った案や、
もう少し火星だとわかりやすい案など数案出した中で、最終的にこの案に決まりました!
今回は「宇宙研究のひろば」と題して、高校生、大学生から京大の研究者、宇宙企業の方まで、様々な人が一緒に宇宙に関するポスター発表をし、
参加者は研究者たちと直接話せるという新しいスタイルになるそうです。いつも通りの講演者によるシンポジウムやパネルディスカッションもあります。
この学術シンポジウム、無料です!(要予約)今回も当日の会場の様子がUstream中継される予定とのことですが、質問したい方は是非会場へ!
少しだけですが前回のシンポジウムの様子を画像にて紹介しております。最初に描いていた "宇宙で生活するイメージ" は漠然としておりましたが、
このシンポジウムを通じて "人類が宇宙へ行くきっかけは何だろう" と、日々考えてしまいます。
2015年1月6日 追記:
「膨張する宇宙デザイン」と題し、なんとポスター発表することになりました!
一番多く質問される「どういうきっかけで宇宙な仕事を始めたのか」宇宙ユニ ットシンポのポスターをはじめ、
これまで担当したデザインが生まれるまでの思いや研究者の方々との当時のコメントを交えながら紹介します。科学をわかり易く正しく伝えるためのメモ書き「宇宙ノート」も展示します。
この発表者リストと内容を見て、むしろ質問をしに伺いたい気持ちでいっぱいですが、
デザインについてはもちろん、宇宙な研究者さんとの関わり方などに興味のある方、是非、遊びに来てください!
新作のプレ展示もありますのでー。ムフフ☆
2014年10月22日
奈良県大和郡山市「第3回 水木十五堂賞 授賞式」のポスター&フライヤーのデザインを担当させていただきました!
水木十五堂賞 授賞式ポスターは第1回から担当させていただいてまして、毎度なかなか面白い方が受賞されるなーと、
送られて来る資料を見ながらデザインしています。
今回も受賞者である、四代目 市川猿之助さんが蒐集されている浮世絵のこと、そのきっかけなどを伺って「素晴らしい!熱い!」そんな気持ちになりました。
「賞のイメージが定着するまでは同じ雰囲気でいきましょう!」と、これまで市の方と話していたのですが、
しばらくして「変えた方がいいかもしれない」と、お互いに考え始め、数案出して、結果いい感じにまとまりました!
また、歌舞伎役者であるとはいえ、猿之助さんのHPから「ちょっと派手な感じもいけるかも!」
「街中のクリスマスのポスターに負けないように!」というデザインまとまりました。
先日、実際に猿之助さんの歌舞伎を拝見し、かなり衝撃を受けました。
舞台の演出も凄かったのですが、男女なく演じ分ける姿に、もう何が本当なのかわからなくなりました。
さて、この授賞式……なんと参加無料です! 11月6日(木)より、申し込み開始です(先着 900名まで)。歌舞伎も熱いですが、講演で語られる熱い想いも是非!
座談会のパネリストの方と、どんな舞台を作られるのか、今から楽しみです。
2014年5月19日
国立天文台 ヴァーチャル天文台プロジェクト「JVO (Japanese Virtual Observatory)」のロゴデザインを担当させていただきました!
宇宙と生命の起源をイメージし、数字は二進数で「JVO」を表しています。色は国立天文台のブルーを基調にしています。
国立天文台の大石雅寿さんよりお話があり、ネット接続されている世界の天文データベースなどを接続し、
世界中で使えるようにするヴァーチャル天文台プロジェクトのロゴであることから、
「デジタルユニバースも表現したい」、「他のVirtual Observatoryのイメージとは違うインパクトが欲しい」、
「日本らしさも出したい」とのことで、
ブラックホールや富嶽三十六景の富士山など、プロジェクトメンバーのみなさんとの打ち合せは、遠い銀河まで広がり戻って来られなくなるほどでした。
ジェットを使ったもので行きましょうとのことで、抽象的に表現したものや、
マーク的にしたジェットの円盤の上下で、赤方偏移(さくら色のイメージ)と青方偏移を表したものなど、最終的に数案をまとめたような案になっています。
このジェットのらせんについて、わたしの手描きイメージをお伝えしたところ、メンバーの方より専門的な説明が、数十分後(!)にガガーッと届き、
ジェットの軌跡としてのらせん、もう一つはジェットを支えている磁力線のらせんの2つが存在し、
両者は全然スケールが違い、磁力線のらせんはブラックホールに非常に近い部分、ジェットの作るらせんはブラックホールからずっと遠く離れたところにあることを知りました。
「ガスがジェット状に噴出するためには、ガスが広がろうとするのを阻止する力が外から加えられている……ん?」
手を使ってねじったり広がりを抑えたり……と、イメージしていたのですが、可視化することは大変だけれど大事なんだなと改めて思ったり……。
このジェットのらせんとDNAの二重らせん構造が重なり、アストロバイオロジー(宇宙における生命の起源、進化、伝播、および未来)にもつながりました。
ロゴと共に新しくなるサイトの操作画面を見せていただいたのですが、なかなか素敵で9月頃に公開予定とのことです。
磁場っていろんなところにあるのですね。またひとつ繋がって、わたしの中の新しい宇宙も広がり続けています!
2014年5月16日
しばらく更新が滞っておりました!
実業之日本社刊 矢崎源九郎 編 「CD付き 子どもに聞かせる世界の民話」の装丁を担当させていただきました!
この本は1964年に出版された「子どもに聞かせる世界の民話」を、テーマごとに分け、読み聞かせCD付きで4冊同時刊行されています。
コーディネイトしてくださったムーブエイトさんから、このお仕事の話が来たとき、嬉しい反面ちょっと複雑でした。
子供の頃、藤城清治さんの影絵も含めて好きだった本なので、元の本が消えてしまうわけではないけれど、変えたくないな……と。
そんなもやもやした気持ちは、寺田順三さんから届いたイラストをみて、どこかへ消えてしまいました!
ちょっと不思議だけれどかわいい動物たち。ラフデザインを活かして、かわいい裏表紙も用意してくださいました。
子供ながらに印象的に残っている装丁だったということは、同じように心に残る子供たちがいて、もしかしたらわたしのように、
将来本を作る仕事に就く子もいたりして……そんな風に思いながら紙はもちろん、花布、しおりを選んでいます。
最初に触れるカバーは、子供達の読む本ですし、汚れなどを防止するためにPP加工をしないといけないのですが、
手に取って読む本だからこそ、どうにか素材感を残せないかと、「帯は加工せず、そのままにして欲しい」と伝えたところ、なんと版元さんがニス引きに!
帯にニス引き!?と、かなり驚いたのですが、汚れの防止にもなりますし、触った時のやわらかさがちゃんと残ってるので、この白い帯を諦めないで良かったです。
見返しは船に乗ったり、風で届くような波を感じさせる紙を、化粧扉はここから始まる異国の物語への入口を砂漠の砂が煌めくような紙に。
立ち寄った書店で第2集が他のより売れているので「どうしてかな?」と思ったのですが、収録されているお話をみて「なるほどー!これは読みたくなるお話かも!」と笑顔になりました。
家にあったのかな、図書館にあったのかなと、懐かしい記憶をたどる旅に出てしまったこの本。
是非、書店で手触りも感じてみてください。
2014年1月16日
2月1日(土)、2日(日)に行われる、
京都大学宇宙総合学研究ユニット シンポジウム「宇宙にひろがる人類文明の未来」ポスター・フライヤーのデザインさせていただきました!
今回のイメージは……
京都大学学際融合センターの磯部洋明さんより、「人類が宇宙で生活するその先の文明だから……やっぱり人かな?」と。
その時に「こういう感じですか?」と提案したものが、
磯部さんが言い出すか迷っていたものだったそうなので「おおっ!気になってましたかっ!」と。
また「未来や文明というキーワードを元に、宇宙らしいテイストが伝わるような幾何学的な模様で作って欲しい」ということで、
"アルキメデスの平面充填" や "13:8の葉序"、
"太陽を中心として見た金星と地球の軌道を数日毎に結んだものを8年間続けた図" など考えてみたのですが、
いまひとつピンとこなかったので「アドバイスをもらおう!」と。
京都大学宇宙総合学研究ユニットの渡邉皓子さんより提案していただいた、フラクタルっぽい図を使ってデザインし、なかなかいい感じなものができました。
今回は「高校生や大学生など若い世代にも気軽に来てもらえるものにしたい」とのことだったので、いくつか案を出した中で、最終的にこの案に決まりました!
ここで使われている「アンドロメダ星雲」ですが、1924年1月5日に京大天文台(現 吉田キャンパス内)にて撮影されたものだそうです。
「昔、天文台が近くにあった場所で、これからの宇宙や文明について考えるって面白い!」と思いながらデザインしておりました。
なんと、この学術シンポジウム、無料です!(要予約)当日の会場の様子はUstream中継される予定とのことですが、質問したい方は是非会場へ!
それと、磯部さんのHPもデザインを担当させていただきました。
ナビゲーションメニューの日食アイコンは、トルコでの皆既日食のデータ(2006年)を使用しております。
デザインするにあたって伺った、「これからの磯部さんは、どうありたいのですか?」いただいた答えは……きっと理想ではなく、現実にされるのだろうと思いました。
微力ではありますが、このデザインもその一部として機能してくれるといいな、そんな風に考えています。